タンニン鞣しをし、染色・塗装仕上げを施していない革。その為、傷やシワ・血管や毛穴の痕など、革らしさをそのまま残す。また、タンニン鞣しの特性から日焼けや使用により革の色や表情が変わっていく。丈夫で、底革より柔軟。薄い茶褐色をしている。=滑革(ぬめかわ)。
銀面がつかない下層部分の革のこと。スプリット・レザーとも呼ぶ。厚い原皮は用途により銀面のついた層と、その下層部分の肉面(革の裏側)を削いで鞣す(なめす)。また、床革の表面を起毛させた革を床ベロアという。
鞣す(なめす)前の動物の毛皮で、肉を削ぎ落とし生皮の腐敗を防ぐために保存処理をした状態のものをいう。塩漬けにした塩蔵皮・乾燥させた乾皮がある。
革の裏側(肉面)をサンドペーパーなので毛羽立たせた革。傷などで銀面の状態が良好でない原皮を用いる場合が多い。銀面を残して仕上げた革を銀付きスエード、肉面しかない床革を仕上げた革を床スエードと呼んでいる。
古くから国内で製造されてきた伝統のある革。鹿革を原料とし、かつては煙でいぶす独特の燻(くす)べ鞣しと漆(うるし)で仕上げたが、現在ではホルマリンと油によるコンビネーション鞣しで白革(しらかわ)にし、染色後、漆模様を施す。語源はという古来の革のことで、印度(いんど)に由来している。甲州印伝革ともいう。国内では白鞣しとともに古い歴史を持つ。
日本に唯一存在する鞣し(なめし)製法、1千年以上の歴史を持つ姫路の伝統産業。古来よりの製法のまま、川づけ、脱毛、から始まり、塩入れ、菜種油による油入れなどを経て、天日乾燥、足揉みを繰り返し、天候にも左右されながら完成までに3ヶ月以上を有する。他の革にはない天然の白さと強さが特徴。印伝革とともに古い歴史を持つ日本独特の革。
タンニン鞣しの後に、クロム鞣しを行う鞣し(なめし)製法。通常のコンビネーション鞣しはクロム鞣しの後に植物タンニンによる再鞣しを行う。
剥皮した動物の皮が腐敗したり、硬くなるのを防ぐために加工する工程。鞣し(なめし)方もいくつかあり、その際に用いられる鞣し剤により呼び名が変わってくる。クロム鞣し、タンニン鞣しなどが主流。一般的に鞣す前を「皮」、後を「革」という。
主に魚脂などの動物性の油で鞣す(なめす)方法。しっとりとした独特の風合いや光沢がある。オイルを多く含んでいるので撥水性があり、水分による劣化に強い。オイルレザー、オイルアップレザーとも呼ばれる。
クロム塩とタンニンを併用するなど2種類以上の鞣し剤を用いた鞣し(なめし)方。両者の長所や特性を併せ持った革を作る事が可能、様々な用途に合わせて鞣すことが出来る。混合鞣し、複合鞣しともいう。
クロム塩などの合成剤による皮の鞣し(なめし)法。タンニン鞣しに比べ、クロム鞣しの歴史は浅く約100年程前にドイツで開発された鞣し方法。経済性に優れこの鞣し方法が現在、革製品の主流を占めている。柔軟でよく伸び、弾力性・保存性・耐熱性・染色性が良い。